日本ガイシ、恵那市、中部電力パワーグリッド　恵那市内で地域マイクログリッドの運用を開始

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地域マイクログリッドは、地域内の蓄電設備や再生可能エネルギー（再エネ）などによって電力を地産地消する仕組みです。有事の際には、配電網から独立して地域内で電力を安定的に供給することができます。

運用を開始した地域マイクログリッドでは、停電発生時に、恵那市吉良見地区に設置されている大容量蓄電池NAS®電池（注）と太陽光発電設備（PV）から避難所を含む地域の電力供給範囲に電力を供給します。NAS電池の自立運転機能により、自動で域内の電力の需給バランスの調整を行うほか、PVで発電した電力をNAS電池に充電することで、長時間にわたる電力供給が可能です。また、中部電力パワーグリッドの既存の配電網を活用することで、専用の送電線（自営線）整備などの追加コストをかけずに域内に電力を供給することができます。2023年3月に実運用環境下での発動試験(2023年3月7日お知らせ済み)により運用できることを確認し、その後本年3月にも災害対応訓練を実施し、本日の運用開始に至りました。本件は、中部電力パワーグリッド管内で初めて運用される地域マイクログリッドとなります。

近年、激甚化する自然災害による大規模な停電が懸念されており、地域のレジリエンス強化と再エネ普及の双方を実現できる取り組みとして、自治体などによる地域マイクログリッドの構築が進められています。日本ガイシや恵那市などが出資する地域新電力会社の恵那電力株式会社（代表取締役社長：村本正義）でも、保有するNAS電池やPVを有事の防災電源として活用する仕組み作りを始めています。

日本ガイシ、恵那市、中部電力パワーグリッドは、このたびの運用を通じて得た知見やノウハウにより、地域マイクログリッドの他地域への展開も検討する予定です。3者は引き続き地域マイクログリッドの運用で協働し、恵那市の災害対策のさらなる拡充を目指します。

運用を開始した地域マイクログリッドの概要

　（1） 設備

• 太陽光発電設備　300kW
• NAS電池　1,200kWh（200kW）
• 供給方法　既存の配電線（中部電力パワーグリッド）経由

　（2） 構築範囲

• ふれあい会館吉良見（恵那市の避難所）
• ふれあい会館吉良見～吉田発電所間（約1km）の配電線上にある一般需要家

地域マイクログリッドの構築範囲（吉良見地区）

吉田発電所

吉田発電所内に設置された恵那電力のNAS電池

地域マイクログリッド運用開始前災害対策訓練の様子

地域マイクログリッドの概要図（資源エネルギー庁「地域マイクログリッド構築のてびき」より）

恵那電力株式会社について

恵那電力は、日本ガイシ株式会社、恵那市、中部電力ミライズ株式会社により、2021年4月に設立された地域新電力会社です（2022年4月事業開始）。太陽光発電設備と電力貯蔵用NAS電池を自社保有し、固定価格買取制度（FIT制度）を利用しない自立した再エネの活用と経営安定性、自然災害への対応力強化などを特徴とする「恵那モデル」により、エネルギーの地産地消によるゼロカーボンシティの実現を目指しています。https://enaden.jp/ 

（注）日本ガイシのNAS電池
NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池です。大容量、高エネルギー密度（コンパクト）、長寿命を特長とし、長期にわたり高出力の電力を長時間、安定して供給することが可能です。全世界で250カ所以上、総出力70万kW（700MW）・総容量490万kWh（4,900MWh）以上の設置実績を持ち、電力負荷平準によるピークカットや非常電源用途のほか、再エネの安定化やスマートグリッドの構築など、さまざまな用途で利用されており、環境負荷の低減、カーボンニュートラルの実現に貢献しています。

https://www.ngk.co.jp/product/nas-about.html 

参考

以上