小児ガンの発生率と磁界との関連性

小児白血病は、磁界計算値との間に弱い関連性が見られたが、実際の磁界測定値との関連性は認められなかった。また、全ガン、脳腫瘍ではいずれも関連性は認められなかった。

磁界計算値で比較

1mG未満(磁界非曝露群) 2mG以上(磁界曝露群)
人数 相対危険比 人数 相対危険比(95%信頼区間)
全ガン患者 117 1 12 1.1(0.5-2.1)
白血病患者
(再掲)
27 1 7 2.7(1.0-6.3)
脳腫瘍患者
(再掲)
29 1 2 0.7(0.1-2.7)
健康者 475 該当なし 46 該当なし
【計算式】「小児白血病の相対危険比」は、「46分の7」割る「475分の27」イコール「2.7」

磁界測定値で比較

1mG未満(磁界非曝露群) 2mG以上(磁界曝露群)
人数 相対危険比 人数 相対危険比(95%信頼区間)
全ガン患者 53 1 16 0.9(0.5-1.7)
白血病患者
(再掲)
19 1 4 0.6(0.2-1.8)
脳腫瘍患者
(再掲)
10 1 5 1.5(0.4-4.9)
健康者 207 該当なし 70 該当なし

(注)磁界測定が可能であった約60%の住宅でおこなわれました。

居住環境の違いによる結果の傾向

居住環境の違いにより結果が異なり、磁界強度における関連の一致性が認められなかった。

居住地での比較

小児白血病の発生は、ストックホルム市外の地域で関連性が認められたが、ストックホルム市内の地域では関連性が認められなかった。

ストックホルム市外

  1mG未満 2mG以上
人数 相対危険比 人数 相対危険比(95%信頼区間)
白血病患者 14 1 4 3.8
(1.0-12.5)
健康者 199 該当なし 15 該当なし

ストックホルム市内

  1mG未満 2mG以上
人数 相対危険比 人数 相対危険比(95%信頼区間)
白血病患者 13 1 3 2.1
(0.4-7.1)
健康者 276 該当なし 31 該当なし

住居タイプでの比較

一戸建て住宅では関連性は認められたが、アパート(集合住宅)では関連性は認められなかった。

一戸建て住宅

  1mG未満 2mG以上
人数 相対危険比 人数 相対危険比(95%信頼区間)
白血病患者 10 1 5 5.6
(1.6-17.8)
健康者 224 該当なし 20 該当なし

アパート(集合住宅)

  1mG未満 2mG以上
人数 相対危険比 人数 相対危険比(95%信頼区間)
白血病患者 17 1 2 1.1
(0.2-4.6)
健康者 251 該当なし 26 該当なし

成人ガンの発生率と磁界との関連性

磁界計算値および磁界測定値ともに、成人ガンの発生との関連性は認められなかった。

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