プレスリリース
新たな託送料金制度(レベニューキャップ制度)に基づく 「託送供給等に係る収入の見通し」に関する書類の提出について
2022年07月25日
中部電力パワーグリッド株式会社
当社は、本日、2023年度からの新たな託送料金制度(以下、「レベニューキャップ制度」という。)の導入に向け、電気事業法第17条の2第1項(注1)及び関連省令の規定を踏まえて、2023年度から2027年度の5ヶ年の事業計画を策定のうえ、その実施に必要と見込まれる費用を見積り、「託送供給等に係る収入の見通し」(以下、「収入の見通し」という。)に関する書類を資源エネルギー庁に提出しましたので、お知らせいたします。
1. 背景
第201回通常国会において、「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」が成立し、一般送配電事業者における必要な投資の確保(送配電網の強靱化等)とコスト効率化を両立させ、再エネ主力電源化やレジリエンス強化等を図ることを目的とした新たな託送料金制度として「レベニューキャップ制度」が、2023年度より導入されます。
レベニューキャップ制度においては、一般送配電事業者は、国が定める指針(注2)に基づき、5年ごとに、その供給区域における託送供給等の業務に係る料金の算定の基礎とするため、その業務を能率的かつ適正に運営するために通常必要と見込まれる収入(収入の見通し)を算定し、経済産業大臣の承認を受けることになっております。
また、一般送配電事業者は、収入の見通しを算定するにあたり、国が定める指針に規定された目標の達成に向けて、規制期間において実施する設備投資等の遂行に必要となる事業計画を策定することになっております。
(注)レベニューキャップ制度の概要は、経済産業省総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 持続可能な電力システム構築小委員会(第13回 2021年12月3日開催)資料をご参照ください。
2. 概要
今後、電力需要は人口減少や省エネの進展等により減少すると想定しており、一方で、高度経済成長期に建設した大量の送配電設備の更新や、太陽光や風力等の再生可能エネルギー発電の導入拡大への対応による送配電網の増強、設備・運用の高度化等が必要と見込んでおります。
当社では、電力ネットワークの次世代化に向けた取り組み(2050年のカーボンニュートラル実現に向けた再エネ大量導入や地震等の自然災害等へのレジリエンス向上等を進めるため、系統増強、運用の高度化など電力ネットワークの次世代化を進めるために必要な投資(+145億円/年)を反映)を進めつつ、安定供給・品質を維持しながらコストアップや収入減を吸収する効率化の取り組みを続けており、今回の収入の見通しには、現行託送料金原価比較で439億円/年のコスト低減を反映しております。
しかし、需給関係費用などの外生的な費用が大幅に増加(+622億円/年)することに加えて、需要減少等による減収(▲178億円/年)が見込まれ、自助努力のみではこうした影響を吸収するのは困難な状況であり、こうした状況を反映した結果、今回の収入の見通しは、現行料金が継続した場合の収入見込み(注3)と比べて506億円/年増加の6,386億円/年(5ヶ年平均)となっております。
3. 今後のプロセス
収入の見通しについては、今後、国(経済産業省)による審査・査定を経て、経済産業大臣の承認を受けて決定されることとなります。
また、託送供給等約款(託送料金等)の申請につきましては、今後、収入の見通しが決定された後に、あらためて認可申請を行うことを予定しており、実施時期につきましては2023年4月1日を予定しております。
当社といたしましては、安定供給、再エネ導入拡大、レジリエンス強化等を図るために必要な投資を効率的かつ計画的に実施しながら、引き続き、さらなる効率化に取り組むことで、託送料金の上昇抑制に努めてまいりますので、何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
(注1) 電気事業法第17条の2第1項
一般送配電事業者は、経済産業省令で定める期間ごとに、経済産業省令で定めるところにより、その供給区域における託送供給等の業務に係る料金の算定の基礎とするため、その業務を能率的かつ適正に運営するために通常必要と見込まれる収入を算定し、経済産業大臣の承認を受けなければならない。
(注2) 国が定める指針
一般送配電事業者による託送供給等に係る収入の見通しの適確な算定等に関する指針(令和4年経済産業省告示第151号[令和4年7月22日公布])
(注3)現行料金が継続した場合の収入見込み
第一規制期間における想定需要と現行の託送供給等約款の料金単価に基づき算定した収入
関連資料
別紙
以上