万一の際の備えとしての広域的な計画停電の考え方について

計画停電については、国民生活や社会の経済活動に多大な影響を与えるため、原則不実施とされている一方、あらゆる需給対策を踏まえても、依然として供給力が不足すると見込まれる場合は実施することとされています。昨年開催された国の審議会(注1)において、2024年度から広域予備率に基づき広域ブロック(注2)での計画停電を実施する方向性が示されました。

日本における電力の供給エリアは北海道~沖縄まで10のエリアに分かれていますが、そのうち北海道~九州までの9つのエリアは送電網(地域間連系線)で一つにつながっています。また、東日本大震災での電力不足の経験などを踏まえて、電力が不足するエリアへ他エリアから電力を届けるため、地域間連系線の整備を進めています。こうした取り組みもあり、現在は電気をつくる場所と電気をつかう場所は一つのエリアに留まることなく、地域間連系線の容量の範囲内で9つのエリアが一体となって電力の取引や運用をおこなっています。これを電力の広域的な運用と呼び、⽇常的な電⼒需給運⽤において、従前のようなエリア単位での予備率管理ではなく、地域間連系線を最⼤限活⽤した広域ブロック単位での予備率管理をおこなう仕組みとなっています。

計画停電においても、電力が不足するエリアだけに負担が集中してしまうことを考慮し、複数エリアが一体となって助け合うことで負担を分担するため、複数エリア(広域ブロック)での計画停電を実施する方向性が示されました。

これを受け、当社では、過去に取りまとめた計画停電の考え方(2018年7月10日お知らせ済み)を踏まえ、国、電力広域的運営推進機関および各一般送配電事業者と連携を図りながら、広域的な計画停電の考え方について検討をおこない、2024年4月に、「万一の際の備えとしての広域的な計画停電の考え方について」取りまとめています。

計画停電は社会的な影響が非常に大きいことから、当社としては、各一般送配電事業者などと連携を図りながら、計画停電を実施することがないよう、引き続き、電力の安定供給の確保に努めてまいります。

(注1)資源エネルギー庁「総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会(第66回、2023年10月31日開催)」

(注2)各エリアの需要に対する供給余力を示す値を「エリア予備率」といいます。沖縄エリアを除くエリア間で等しくなるように均平化した場合の予備率を「広域予備率」といい、広域予備率が等しいエリアは1つの広域ブロックになりますが、広域予備率が等しくならない場合は複数の広域ブロックが形成されます。

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