研究方法
1993年~1999年の間におこなわれた、磁界曝露と小児白血病の関係を調査した9つの疫学研究結果をまとめて解析しました。
解析に使用された研究の実施国と研究者、発表年
- スウェーデン(Feychting:1993)
- デンマーク(Olsen:1993)
- フィンランド(Verkasalo:1993)
- ノルウェー(Tynes:1997)
- アメリカ(Linet:1997)
- ドイツ(Michaelis:1998)
- ニュージーランド(Dockerty:1998)
- カナダ(McBride:1999)
- イギリス(Doll:1999)
研究結果
磁界レベルが0.4μT(4mG)未満の場合は、小児白血病の相対危険比の増加は見られませんでしたが、0.4μT(4mG)以上の場合、小児白血病の相対危険比が2倍(95%信頼区間:1.27~3.13)との結果が得られました。
なお、研究者は、この結果について「0.4μT(4mG)以上の対象者は非常にわずかな割合(全体の0.8%)であり、リスクが上昇する理由は不明であるが、選択バイアスがある程度関係していたかもしれない」と述べています。
プール解析に対する国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の見解
ICNIRPの疫学分科会は「EMFと健康に関する疫学文献評論(2001年)」の中でプール解析(2000年、スウェーデン)の結果について、「既知のメカニズムがなく、再現性のある実験的根拠がないため解釈は困難であり、更なる研究が必要である。」と報告しています。
なお、本疫学分科会には、ICNIRPの委員(当時)であり、プール解析を実施したアールボム博士自身も参加しています。